私は知りませんでした。
アメリカ在住長いのに、息子達が生まれるまでまったく知らなかったんです。
実を言うと、彼を知るきっかけになったのは、PBSテレビ(アメリカの公共放送)で放送している番組「ダニエルタイガーズネイバーフッド(Daniel Tiger’s Neighborhood)」(2012年〜現在)でした。なんとなく子供達に見せてる時に、夫がミスター・ロジャースのアニメ版だねって教えてくれたのです。
そして、その後いろんな人と会話してる時に、「うちの子たち、ダニエルタイガーズネイバーフッドが好きなの」って話題にするたび、ほとんどの人が「ミスター・ロジャースのアニメね!ミスターロジャース、よく観てたわ〜!」って言ってくるじゃありませんか。
なんとアメリカでは、ミスター・ロジャースを知らない人はいないくらい有名な方だったんです!
ちなみに知らない方のために、ミスター・ロジャース(フレッド・ロジャース)について、以下ウィキペディアの記述箇所を抜粋します。
フレッド・マクフィーリー・ロジャース(1928年3月20日 – 2003年2月27日)は、アメリカ合衆国のテレビ番組の司会者。就学前の子供向け番組シリーズの「Mister Rogers’ Neighborhood 」 (1968-2001)の制作、司会、楽曲の制作で有名であり、彼の心優しく、礼儀正しいソフトな語り口調と視聴者への実直な態度で人気を博した。—ウィキペディアより
ちょっと補足しますが、ミスター・ロジャースのシリーズ番組「Mister Rogers’ Neighborhood 」は、私が住むオハイオ州のお隣、ペンシルバニア州のピッツバーグ市で制作・撮影された御長寿番組(33年間!)で、世界的に有名なあのセサミストリートより一年早く放送開始された番組なんです。
また、ミスター・ロジャースと彼の番組「Mister Rogers’ Neighborhood 」について、簡潔に解説されている記事(『アメリカの国民的子供番組「Mister Rogers’ Neighborhood」放送50周年』—mashup NYより)を見つけたので、興味がある方はこちらを参考にどうぞ。
さて、ここ最近アメリカでは、ミスター・ロジャースが再度メディアに浮上してます。その理由は、二年続けてミスター・ロジャース関連の映画が立て続けに公開されたから。
それがこれ↓
- ドキュメンタリー映画「Won’t You Be My Neighbor? (ご近所さんになろう)」(2018年制作・劇場公開)
- 映画「A Beautiful Day in the Neighborhood (ご近所の美しい日)」(2019年11月劇場公開)
どちらも日本劇場未公開です。「Won’t You Be My Neighbor? (ご近所さんになろう)」の方は、現在視聴可能なアマゾンプライムから邦訳タイトルを頂きました。ちなみに、アマゾンプライムサイトで日本語字幕付きの予告編も観れます。
また「A Beautiful Day in the Neighborhood (ご近所の美しい日)」は私が即席で直訳したので、突っ込みどころあったら言ってくださいね。
ということで、ワタクシ、このクリスマスから新年にかけてどちらの映画も観ました。
そして、どちらの映画を観ても大泣きしてしまったのです!
それはなぜか?
それはとってもシンプルです。ミスター・ロジャースの人柄とメッセージに心打たれたから。ミスター・ロジャースのメッセージはとにかく深いんです。
彼はただ単に子供番組の司会者じゃありません(もちろん、元々聖職者ではありますが)。あたかも視聴者ひとりひとりに語りかけるように優しく語りかけ、大人が目を背けたくなる人間の感情や時事・社会問題をソフトにとりあげ、生きていく上で大事なことをそっと教えてくれます。
そして、大人の私でさえも癒されるくらい、ゆっくり優しい口調でこう語りかけるのです。
I like you just the way you are.(そのままのあなたが好きだ。)
本来の彼の名言は上記部分以上にもっと長いのですが、とにかく私はこの言葉にただただ感動しました。
このブログを読んでるみなさんは、「I like you just the way you are.(そのままのあなたが好きだ。)」と言われたことありますか?
私はありません。親でさえも、そんな率直に肯定した言い方はしませんでした。誰からも、自分の存在を真っ向から肯定される事なんて、今の夫に出会うまでありませんでした。
「I like you just the way you are.(そのままのあなたが好きだ。)」という言葉は、肯定されずに人生のほとんどを生きてきた人間の心に、強く深く響きわたり、今まで閉ざした心の扉を開けてくれるのです。そして、自分はこれでいいのだと、自信と勇気を与えてくれます。
上記のドキュメンタリー映画は、彼の人柄はもちろん、番組に対する情熱、生涯を子供達のために捧げたクリエーターとしての顔、そして家庭でも変わらぬ人間性などなど、とにかく彼について多くを学べる作品になってます。
また、トム・ハンクス主演の映画「A Beautiful Day in the Neighborhood」の方ですが、去年の暮れに、夫と結婚記念日を祝うために劇場に観に行きました。こちらは、実在するジャーナリストの雑誌寄稿記事を原作にした映画です。
概要がちらっとWikipediaに掲載されており、またこの映画について書かれた記事(「観ているあなたも癒される美しい物語 映画『A Beautiful Day in the Neighborhood』」—Sabot Houseより)も見つけたので、興味がある方はご参考にどうぞ。
とにかく、こちらの映画もかなり胸にじ〜んと来る作品になってます。特に主人公がミスター・ロジャースと交流するうちに、心に変化が訪れ、人生の捉え方が変わって行くシーンが最近ブログにも書いた自分の心情にすごく似てて、号泣せずにいられませんでした。
そして劇中、ミスター・ロジャースは感情を言葉にし、誰かに話すことの重要さをさりげなく教えてくれるんです。そう、全くもってその通り!だから自分はブログと言うツールを通して、自分の気持ちを書きすっきりしたんだ!って、思ったんですね。
とにかく、今回私が観た上記2作品はとてもおすすめです!特に子を持つ親であるのなら、かなり必見だと思います。
最後になりましたが、ドキュメンタリー映画が公開された2018年には、ABCテレビとCBSテレビがそれぞれ、ミスター・ロジャースについて特集を組んだ番組を放送しています。特にABCテレビのNightelineの方は、分断し続ける今のアメリカがなぜミスター・ロジャースを必要としてるかも問いかけており、かなり考えさせられました。
また、映画『A Beautiful Day in the Neighborhood』を観た後ツイッターで呟いたとき、フォロワーさんであるピアレスゆかり(@YukariP)さんとミスター・ロジャースについて熱く語る機会がありました。彼女もドキュメンタリー映画を鑑賞後に記事(「ミスター・ロジャース」—縁もゆかりも Everybody Else Is Already Taken)を書いてるので、もしよかったら参考にどうぞ。
私も彼女と同様に、もうすでにミスター・ロジャースの信者です(笑)。そして、ミスター・ロジャースの精神を日本にも広めたいなと地味に熱くなっております。
この春休みにでも、ペンシルベニア州にあるミスター・ロジャースの記念館(Fred Rogers Center)に行ってみたいな〜と、ぼやっと密かに思ってますが。。。さて、どうでしょうね〜?
今日も長々とブログを読んでくださり、ありがとうございます!
えっちゃんが知らなかったとは知らなかった!私はBGMのジャズも好きで、まだTVがうちにあった10年前くらいまで観ていて、人参切りながら、It’s a good feeling..って歌ってました。子供もいないのに子供番組好きなんです。えっちゃんが好きだっていうの分かるわ〜。これもおひまなときにみてみて:https://www.youtube.com/watch?v=fKy7ljRr0AA
今なが〜いトランジットで、BKKでこのブログ読ませてもらったところです。またね〜。
コメントありがとさんです!
あれ?もしかしてミスターロジャースを観て育ちました?
私は双子たちが生まれるまで子供番組とか全く興味なかったんで、知る機会さえもありませんでしたよ。だから観て育った人たちが羨ましい!ホントにミスターロジャースの世界に出会えて良かった!って思いますよ。
教えてくださった動画、私も観ました。ドキュメンタリー映画本編でも一部使われてますが、当時どれだけパワフルなスピーチだったか、動画を見ると一目瞭然ですよね。
分断し続けるこの国が彼のような人を今必要としてるな〜と思わずにいられませんでした。
最近彼の著書を二冊読み始めました。
育児する上でももちろん、人と付き合い交流する上で、ミスターロジャースの教えは、すごく勉強になります。
私も彼のような姿勢で、人と接して生きて行きたいなって思いました!