あのジェンキンズ氏インタビュー(3)
- 10 / 26
- 水
- 2005
いや〜、久しぶりに続けてエントリしたのでちょっと疲労気味です。慣れない事を突然するもんじゃないですね。でも、こういうのって何か作品をせっせと作る感覚に似てるというか、終わった時に達成感が残ります。ちょいと追加ですが、CBSのサイトではこの番組がネット上で見れる模様です。興味がある方は、是非お試しを。では、昨日の続きです。
北朝鮮のキム・イルソン主席の後任でキム・ジョンイル主席は、日本との関係修復のため、過去13人の日本人拉致疑惑を認める事を日本総理大臣小泉純一朗に表明した。
曽我ひとみさんを含む拉致事件生存者は、日本に帰国する事になった。そして、彼女は国民的なヒーローになったのだ。しかし、ジェンキンス氏と二人の娘達は、そのまま北朝鮮に残された。北朝鮮政府は、彼らの出国を許さなかったのだ。ジェンキンス氏は、もし北朝鮮を離れれば米軍に身柄を拘束される事を知っていた。
そこで北朝鮮での孤独な2年が続いた。しかし、日本政府の外交政策で事態が軟化後、去年ジェンキンス氏は妻ひとみさんとの再会のためには米軍に逮捕されても価値ある事であると決断したのだ。そして、ひとみさんとジェンキンス氏そして二人の娘達はインドネシアで再会を果たした。
去年9月、ジェンキンス軍曹は日本の米軍基地へ出頭した。長い歳月脱走した者が戻って来る事はそう見ることはない。
ジェンキンス氏は、40年ぶりに着る軍服は気持ちいいものだったと語った。
「なぜそんなに気持ちよく感じられたのですか?」とインタビュアーのペリーが訊く。
「自分の過ちを正したからだ。私は戻って来たのだ。そして、娘達ミカとブリンダはそんな軍服に身を包んだ自分の姿を見た事がなかったし、見る事もないだろうと思っていたから。」とジェンキンス氏は、答えた。
彼は任務遺棄と敵国援助の罪を認め、禁固25日の刑を終え釈放された。「私は、自分が犯した罪の代償を社会へ償った。だから、自分の所へ人々が集まりキスや抱擁をしてくれるような歓迎は望んではいない。そうして欲しくないのだ。」とジェンキンス氏は語った。
ジェンキンス氏は、自分の事を売国奴だとは思ってない。「私が売国奴であれば、私は戻っては来ないだろう。」
彼が去った1965年以来、どんな社会の変化に最も驚かされたのかとインタビュアーのペリーはジェンキンス氏に尋ねた。
ジェンキンス氏は、コンピューターを触った事も無ければ、更にインターネットも経験した事がなかった。そして、当番組にいかに女性が軍隊に多いかという事と黒人の警察官が多いという事に驚かされたと語った。また、もはや何処でも喫煙出来る訳では無いという事も付け加えた。
ジェンキンス氏は、北朝鮮に居た時、歴史的な出来事「人類の月面着陸」について聞かされた。「私は、朝鮮人の政府当局者にそれを聞かされた。しかし、どの国が月面着陸をしたのかは知らされなかった。ただ、彼らは『Una handa la』(どこかの国が月に着陸した)とだけ言ったのだ。」
今日ジェンキンス氏は、妻のひとみさんが拉致された場所からそう遠くない佐渡に身を置いている。彼女の家族の農園にやって来る前、ジェンキンス氏は妻の愛情はこの自由から生まれたもので奴隷からではないと知らなければならかった。
ジェンキンス氏は、二人の結婚を終わらせる事を持ち出した。「私は彼女に『北朝鮮ではひとつだった。ここは日本だ。君はまだ若い。私に立ち去って欲しければ、私はそうしてもかまわない。』と言った。」とジェンキンス氏は言った。
しかし、ひとみさんは「いいえ」と答えたのだ。
妻のひとみさんとの再会の後、ジェンキンス氏にとってもう一人会わなくてはならない女性がいた。彼が韓国へ任務として旅立った時、彼はその女性に一年で戻ると告げていたのだ。
今年の夏、その女性、91歳になる母のパティー・キャスパーさんが住むノースキャロライナ州を訪れた。彼女は、息子の帰郷を充分迎えれるまで長生きしていたのだ。
「ええ、愛しているよ。あなたが再びここへ戻れるなんて思いもしなかったわ。」とジェンキンス氏の母は再会した時に言った。
ジェンキンス氏は、涙ながらに彼女にこう答えた。「とても辛かった。困難で本当に辛かった。」
(終わり)
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いや〜なかなか読み応えがありました〜。
これは翻訳なさるのも大変だったんじゃないでしょうか。
とても興味深く読ませていただきましたよ〜。
曽我ひとみさん始め、北朝鮮に拉致された人たちは
まだまだ多くの事を公開できる環境にはいたってないようで
日本に帰ってからけっこう経つというのに、今でも
新しい発言があった、なんて話題になることが多いです。
それだけ恐ろしい体験をしてきたのでしょうし
北朝鮮との関係や、未だに北朝鮮に残っている人たちのことなど
いろんな状況を考えると、
なかなか一気に明るみにできない部分もたくさんあるのでしょうね。
ジェンキンスさんは、アメリカ本国ではどのような印象があるのでしょうか。
たしかに彼が北朝鮮に向かったいきさつは
国家に対する裏切りと言えるのかも知れませんが
当時の彼の状況を考えたとき、「私は絶対に彼のようなことはしない」と
果たして何人の人が自信を持って言えるでしょうか。
ジェンキンスさんと曽我さんたち拉致被害者とでは
自ら行った、強制的に連れていかれた、という大きな違いがあるけれど
数十年たった今、祖国の人が月にいったことさえ知らずに過ごした日々は
やはり重くのしかかってきます・・・。
アメリカでは拉致問題を始めとした北朝鮮のことは
どれほど話題になっていて、あるいはどれほどの重要性を持っているのか
いろいろお聞きしたいことはあるんですが
まずは、翻訳本当にお疲れさまでした。
>しのぶさん
コメントありがとうございます!
自己満足目的の翻訳とはいえ、やはりなんらかの反応があると嬉しいものですね。
これから、勉強がてらに興味深い記事を見つけましたら、翻訳をしてみようと思います。
こちらこそ、長い記事の完全読破ごくろうさまです!
なるほど、本国日本ではあまり深く情報公開がされてないのですね。
たぶん、こちらでは米国が第三者的立場であるから、政府からの規制無しに取材が進んだのかもしれません。
だから、ジェンキンスさんの告白本も出版できたのかも。
>ジェンキンスさんは、アメリカ本国ではどのような印象があるのでしょうか。
そうですね、私の知る限りでは彼の存在自体を知る者が少ないと思います。アメリカが抱えてる問題がご存知のように、イラク戦争、自然災害、政局危機、経済不安と山のようにあるわけで、ジェンキンスさんが北朝鮮から脱出した時も主なニュースでは取り上げられもしなかったと思います。
米国にとって、彼はおそらく過去の人間なのでしょう。
現在イラクへ派兵されて、一時帰国した兵の中にカナダへ脱走した者が沢山います。状況は、ジェンキンスさんと異なりますが、動機は全く同じだと思います。それは、戦争への恐怖ですよね。
戦争自体、正当化出来ないわけですが、軍隊は国の管轄であり、個人ではない。軍隊に対して、戦争に送り込むか否かの問題以前に軍に属するという事は、国民の税金で仕事をして恩恵を授かってるいう見方もあり、脱走した者への扱いは賛否両論だと思います。ただ、私の周りだけの意見を言いますと、「任務=仕事」です。そして、「脱走=契約違反」です。だから、脱走した者は処罰を課せられても当然という意見がありました。
これが、ベトナム時代の徴兵制度下の状況でしたら、少し違ったかもしれませんが。
自ら志願した者へは、とてもビジネス的な扱いが強いように思われます。でも、この志願兵達だってアメリカの隠された貧困がそうさせた背景もあり、とてもひと言では結論付けできる問題ではありませんが…
>アメリカでは拉致問題を始めとした北朝鮮のことはどれほど話題になっていて、あるいはどれほどの重要性を持っているのかいろいろお聞きしたいことはあるんですが
北朝鮮問題は、政府にとって今のところ優先問題ではないのではないでしょうか。今は、やはり中東問題とイラクですよね。でも、北朝鮮の脅威は恐れられてます。やはり、隣国日本の立場ほど緊迫してるかというと、そうではないような気がします。でも、これは私だけの意見なので、いろいろな人の意見や文献を参考にしてみたいですね。
はじめまして。昨日(2006年7月9日)の60 minutesは、この”Deserter Recalls N. Korean Hell”の再放送でした。日本では意外にジェンキンス氏の肉声は報道されていない気がしています。昨日の放送を見てネットで色々探していたら、このブログがヒットして拝読させて頂きました。よく出来ていらっしゃいますね。
米国がジェンキンス氏に再度注目…
米国人の朝鮮半島情勢に対する関心は、正直高いとは言えなかったと思います。今でもイラク、アフガニスタン等の中東問題と比較すれば、大したことはないかもしれません。ただ、 (more…)
>shuさん
こちらこそ、はじめまして。ブログが多数ネット上に存在する中、起こして頂いてありがとうございます。また、お褒め預かりありがとうございます。
最近の60 minutesは、再放送ですよね。夏時間だからなのでしょうが、新しいエピソードを見れないのが少々残念です。
私もこの再放送を観ましたが、おそらくこの間の北朝鮮ミサイル事件があったからなのでしょう。
shuさんの記事も興味ありますので、早速お伺いさせて頂きます。